- この記事のハイライト
- ●相続放棄とは、すべての遺産の相続を放棄し、初めから相続する権利でなかったことにすることである
- ●住んでいない空き家を相続放棄する場合は管理責任が生じない
- ●相続放棄以外に空き家を手放す方法には、売却・寄付・隣家への交渉などがある
相続財産のなかに空き家が含まれている場合、相続放棄をお考えの方もおられるのではないでしょうか。
相続放棄をしても場合によっては管理責任が生じるケースもあるため、あらかじめ相続放棄について把握しておくことが大切です。
そこで、空き家の相続放棄とはなにか、また管理責任や空き家を手放す方法について解説します。
神戸市北区で空き家を相続する予定がある方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
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空き家を相続放棄したい!①そもそも相続放棄とは?
相続後に空き家となってしまうなど活用予定がない場合は、相続放棄という手段により空き家を手放すことができます。
まずは、そもそも相続放棄とは何かについて解説します。
相続放棄とは
相続放棄とは、被相続人の遺産を放棄してそもそも初めから相続する権利がなかったことにすることです。
ここで、注意しなければならない点として、マイナスの財産だけでなくプラスの財産も放棄することになるという点です。
つまり、預貯金や現金は相続して負債だけ放棄するということはできません。
一般的には、相続財産の総額を調べて、負債のほうが大きいケースに相続放棄が検討されることが多いようです。
相続放棄をすれば、すべての財産を相続することはないため、当然、相続税の課税対象にもなりません。
空き家のみを相続放棄することはできない
前述のとおり、相続放棄する際は遺産のすべてを放棄することになります。
そのため、空き家が不要だからといって空き家だけ放棄することはできません。
相続方法のなかには、引き継いだ遺産の範囲内でマイナスの財産を相続する「限定承認」というものもあります。
しかし、空き家はマイナスの財産ではなくプラスの財産とみなされるため、限定承認で相続をおこなっても空き家だけ相続放棄するということはできません。
つまり、空き家を相続放棄したいという場合は、すべての財産を相続放棄する必要があるというわけです。
相続放棄は3か月以内におこなう
相続放棄を選択する場合は、相続の開始を知ってから3か月以内に家庭裁判所へ申し立てをする必要があります。
3か月を過ぎると、相続したものとされるため注意しましょう。
また、相続放棄するまでに相続財産の一部を処分したり、隠匿、消費したりした場合は、相続したとみなされ相続放棄できなくなります。
たとえば、空き家の場合でも相続放棄前に解体工事もしくはリフォームなどをおこなえば、変更・処分行為とみなされ相続したと判断されます。
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空き家を相続放棄したい!②放棄後の管理責任について
空き家を相続放棄したとしても管理責任がなくなるというわけではありません。
場合によっては、管理責任が残るケースもあるため注意が必要です。
令和5年4月1日から相続放棄した方の管理義務に関するルールが変わったため、旧法と改正法の違いなども併せて解説します。
旧法の管理責任とは
まず、旧法での管理責任がどのような内容であったのかを見ていきましょう。
旧法では相続放棄をしても、自分が住んでいない家や土地でも管理責任が生じていました。
なぜなら、たとえ空き家を相続放棄しても、近隣住民や他人に被害を与える可能性があるからです。
相続放棄して次の相続人に引き継ぐか、もしくは相続財産管理人が選出されるまでは管理を続けなければなりません。
そのため、たとえ自分が住んでいない家や遠方にある家を相続放棄しても、管理しなければならないという点が問題となっていました。
改正法の管理責任とは
では、改正法で何が変わったのかを見ていきましょう。
改正法では「管理を負う条件」と「管理内容」が変更されました。
まず大きな違いは、現在住んでいない土地や家を相続放棄する場合は、管理義務の必要はなくなったことです。
つまり、遠方にある空き家などを相続放棄しても、管理しなくても良くなりました。
ただし、被相続人と同居していた場合は、相続放棄後に引っ越ししたとしても管理責任が残るため注意が必要です。
そしてもう1つの違いは、旧法では「財産を管理をしなければならない」とされていましたが、改正法では「財産を保存しなければならない」と変更されました。
これは、空き家で言えば補強工事などお金をかけてまで管理することは求めていないということ、つまり必要最小限の保存行為のみおこなわえば良いことになりました。
相続人全員が相続放棄した場合
では、相続人全員が空き家を相続放棄した場合はどうなるのでしょうか。
相続人が全員放棄した場合は、家庭裁判所へ申し立てをし「相続財産清算人」を選出する必要があります。
相続財産清算人とは、相続放棄により管理する方が不在となってしまった場合に、被相続人の財産を管理して清算をおこなう方のことです。
相続財産清算人が選出されれば、相続放棄した空き家の管理責任も移行します。
ただし、相続財産清算人が選出されるまでは、管理責任が残るため注意しましょう。
相続人全員が相続放棄を希望している場合は、早めに相続財産清算人の申し立てをおこなうことをおすすめします。
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相続放棄せずに空き家を手放す方法とは
空き家を相続したくないという場合、相続放棄以外にも空き家を手放す方法はあります。
また、プラスの財産も含めてすべてを放棄することになるため、相続したい財産がある場合はあまりおすすめできません。
相続放棄せずに空き家を手放す方法は以下の3つがあります。
●空き家を売却する
●隣家へ交渉をしてみる
●寄付する
それぞれの手放す方法をご説明します。
手放す方法①空き家を売却する
空き家の活用予定がなく不要なら、いっそのこと空き家を売却してみるのも1つの方法です。
空き家は築年数が経過しているケースが多いため、売却できるのか心配される方もいらっしゃるでしょう。
しかし、空き家でも「古家付き土地」や「更地」にして売り出せば、十分に売却することは可能です。
「古家付き土地」として売り出す場合は、土地をメインとして売却する方法で、解体費用などを抑えられる点がメリットです。
ただし、劣化が進んでいるような場合は、倒壊のリスクもあるため注意しなければなりません。
一方で「更地」として売り出す場合は、建物を解体する必要がありますが、更地にすることで需要が見込めるでしょう。
ただし、解体費用がかかるため売り出し方法は慎重に検討する必要があります。
手放す方法②隣家へ交渉をしてみる
空き家の隣に家がある場合は、購入してもらえないか交渉をおこなってみると良いでしょう。
土地の面積が増えることで隣家が活用しやすくなったり、不整形地から整形地になったりすれば、購入してもらえる可能性が高いです。
ただし、個人間での取引の場合でもトラブル回避のために不動産会社を介して取引をおこなうことをおすすめします。
手放す方法③寄付する
必ずしも売却できるわけではありませんが、自治体や法人などへ寄付するのも1つの選択肢でしょう。
ただし、個人や法人の場合には寄付された側に贈与税が課される可能性もあるため、事前に説明しておくことをおすすめします。
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まとめ
空き家を相続放棄する場合は、プラスの財産もすべて放棄することになります。
また、相続放棄しても被相続人と同居していた場合は、管理責任が残ることもあるため注意が必要です。
相続したい財産が含まれている場合は、相続放棄以外の売却なども検討してみることをおすすめします。
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